カテゴリー別アーカイブ: 家具のこだわり

A-mode 新作説明会

ADコアデザイナー瀬戸昇氏の提案する現代・現在のモダンデザイン
「A-mode」2013 Collection発表を兼ね、
ADコアスタッフさんがTERRAにお越しくださいました。

新カタログを見ながら、新作説明をうけるファニシングスタッフ。

直接メーカーさんから、商品の説明を受ける事ができるのは、
大変ありがたいことです。

A-modeは、アメリカのLAのモダン建築にインスパイアされて
イメージされたコレクション。
シンプルかつ、素材や使い心地にこだわるブランド。

今回の2013モデルは、新たにカリフォルニアスタイルのリラックス感を
デザインに加えたとか。

単なる楕円のテーブルではなく、
この形の中には4つの楕円が組み込まれています。
それによる、少しの膨らみをお感じいただけますか?

優しさの中に、短辺に座っていただく方の使い勝手も向上していますね。

チェアの3次曲面がやさしく背中を支えてくれそうです。
ダイニングセットながらも、くつろぎの時間をゆったりと過ごせるよう
ソファのような座り心地にもこだわりました。

ちょっと低め設計の、リビングダイニング。

うづくり※仕様の無垢天板は、素材感を最大限に生かしています。
※うづくりとは:浮造り(うづくり)って?

チェアの大きい座面は、まるで座布団のよう。
サイドチェアの上では、あぐらをかいてくつろげますね。

懐かしさをかんじさせるフォルムのソファ。
背クッションの高さはハイタイプ、ロータイプがあり

ロータイプにヘッドレストを並べると、さらにハイタイプサイズになります。
背の大きな人も、頭をゆっくりともたれさせて、お休みいただけます。

カウチもご用意しています。

今回のコレクションで感じた事は、ナチュラルな素材感。

使い心地はもちろん、
テーブルに採用されている
ホワイトアッシュに、ウォールナット、チークの
表情豊かな材質感を楽しめそうです。

タンナーというお仕事5 革との付き合い

【皮】から【革】へ
その工程で生まれる、革の種類。

皮の質、そして銀の有無、
塗装の種類や塗る厚さで、革の見た目、手触りも変わってきます。

お手ごろ価格で、一見キレイに見える革、銀の取られたコレクテットレザーと
銀の残された銀付きレザーでは

       長く使ううちに、大きく差が出るといいます。

皮の表面に厚く塗装され、型押しされたコレクテットレザーは
始めは、目も揃って傷も無く、上等に見えるかもしれません。

しかし、丈夫な銀を失い、厚い塗膜で覆われた表面は、使っているうちに
皮と塗装との間で、状態にずれがおきて、塗装膜が剥離する場合があります。

皮本来の素材感を残した革は、
ナチュラルマークと呼ばれる、生きている時にできたシワやスレ
キズや血管のあとなどが見られる場合があります。

しかし、それが皮本来の姿であり、味でもあります。
そして、しなやかな手触り、優れた吸放湿性。

革張りソファをお選びになる際、その革がいったいどんな革なのか
ぜひ、触れて、確かめてみてくださいね。
そして、お気に入りの革と、よいお付き合いをしていきたいものです。

これは、一方的にコレクテットレザーなどを非難するものではありません。
価格も、お手入れ方法も、耐久年数もそれぞれですので
ライフスタイルにあった革をお選びいただきたい、そう思うところと

革ができるまでの工程や、生まれる価格の差のわけを知っていただきたく
掲載いたしました。

今回、革ができるまでを詳しくご説明くださいましたタンナーさんには
心よりお礼申し上げます。

Kawazen HP

タンナーというお仕事4 価格の差が生まれるわけ

これまで、皮が革へと加工される過程を紹介してきました。

さて、各工程に、数種類の方法があるのもご紹介しましたが
何より、価格の差が生まれる原因となる、

        【革の違い】について迫っていきましょうか。

革張りソファに用いられる革で、多く流通しているものに
【コレクテッドレザー】があります。

これは、皮の表面をサンドペーパーで削ってしまい、
顔料で塗装して、その上から、皮の型押しを施しているものです。

皮の表面の事を、Grain(グレイン)といい、
日本ではその部分を銀面とも言います。

グレインをギンと聞き間違え、
ギン=銀の面 銀面と言われるようになったそうです。

皮の表面 グレイン(銀面)は、丈夫な部分です。
では、なぜ銀面を削り取ってしまうのでしょう?

それは、皮の表面には、動物ですからその個体によって
キズやシワ、シミなどがあります。

よっぽど良い状態の皮でないと、良い仕上がりには見えません。
ですから、程度の低い皮は、銀面を削りとり、
コーティングになる顔料により塗装して、皮の型押しをして表面を均一化し
キレイな革にしあげるのです。キレイにお化粧された革、というわけ。

・・・しかし、こう聞くと本当に良い革とは?

やっぱり、皮の丈夫な部分、銀面は残しておきたい。
これを銀を取ってしまったコレクテットレザーに対し、【銀付きレザー】といいます。

そして、なるべく薄い塗装もしくは、染料で染めるアニリン仕上げの方が 皮の風合いや、素材感が生きていて、良いと思いませんか?

そのためには、皮の時点で差が出ますね。
キレイで状態の良い皮を薄化粧で仕上げてあげる、
そんな方法でできた革が、良い革ではないでしょうか。

もちろん、使う状況によって
特に、染料で仕上げるアニリン仕上げでは、お手入れが大変な部分もあります。
好みもありますから、いちがいにアニリンが一番!という事は言えませんが

風合いや、お手入れの事を考えつつ
   アニリン仕上げ
   セミアニリン仕上げ
   ピグメント仕上げ・・・という視点から、革を見つめてみてください。

そして、銀面が削りとられたコレクテットレザー、

さらに安価なものでは、
銀床(皮を銀面とその下の部分に割り、銀面じゃないほうの床皮)に
フィルムを貼り付け塗装・型押ししたもの
  リサイクルレザーやバイキャストレザーと呼ばれるものもあります。

中には、皮の破片を樹脂で固めて皮状にしたものもあります。

ひとまとめに【革】といっても、実に色々種類があるわけです。

さぁ、革張りソファといわれているソファに、価格の差が生まれるわけを
お分かりいただけたでしょうか。

タンナーというお仕事3 染色と塗装

なめされた皮は、下染めされます。

このときに使われるのは、水溶性の染料。

ちょうど、白いシャツを、色のついたモノと一緒にお洗濯したら
染まっちゃった! そんなイメージです。

水に溶ける染料が、皮の組織に染み込んで色がつきます。

そして、乾かした後、塗装されます。
この塗装にも2種類の方法があります。

1)顔料仕上げ(ピグメント仕上げ)
皮の上に、塗装スプレーで塗装するイメージです。
表面が塗料に覆われますので、日焼けによる色落ちしにくく、汚れ辛いので
お手入れがしやすい、塗装方法です。

もちろん、この塗装にも、厚塗り、薄塗りがあります。
お化粧を想像してみてください。

薄塗りのほうが、ナチュラルで素材感が楽しめますが
もともとの皮の状態が良くないと、キズやシミなどが見えてしまいますね。

厚塗りは、色もキメも均一に見え、キレイに見えますが、
若干素材感は、薄れます。

2)染料仕上げ(アニリン仕上げ)
皮に、色が染み込むイメージです。
皮の表面がそのまま生かされ、透明感のある仕上がりとなります。

でも、表面に塗膜が無いので、色落ち、色あせ、シミなどもおきやすいので
お手入れは、難しいです。

でも、その皮のしなやかさや、素材感をそのまま楽しめる仕上げとなります。

1)と2)の間の、セミアニリン仕上げというのがあります。
これは、皮の表面に、顔料で薄い塗膜をつくり、染料でさらに染め上げます。
皮本来の、素材感を楽しみつつ、堅牢性も持ち合わせる
ちょうど、ピグメントとアニリンの中間の仕上がりとなりますが、
その顔料と染料の割合に応じて、仕上がりも異なります。

タンナーというお仕事2 なめしについて

皮の下処理が終わり、毛も抜かれたところで

鞣し(なめし)の工程に入ります。
【なめし】には2種類の方法があるそうです。

1)クロムなめし
クロムという青色の金属鞣剤を使用します。
丈夫でやわらかく、耐熱性に富んだ革になります。
このクロムなめしの革が、もっとも流通しているそうです。

2)植物タンニンなめし
引き裂きや、耐熱性はクロムなめしには及ばないものの
硬くて、厚い革になります。

日本では、ヌメと呼ばれるのも、この植物タンニンなめし。
ヴィトンのバッグの、あのベージュ取っ手のところ、
といえばおわかりになるでしょうか?

使ううちに、あめ色になり艶が出てくるのも魅力の一つですが
水や油によるシミには、充分気をつけなくてはならないのも、このヌメ。

ナチュラルレザーと呼ばれる事もあり、バッグやベルト、くつなどに用いられます。

そもそも、【なめし】とは動物の皮の防腐処理。
なめし剤は、皮に含まれるたんぱく質と結合し、腐らなくなり、
耐熱性も付与されます。