こんにちは。
今日は、ペルシャ絨毯が出来上がるまでのお話をしましょう。

ペルシャ絨毯は、ペルシャ地方(イラン)でつくられる手織りの絨毯です。
ウール(羊毛)とシルク(絹)の2種類があります。
イラン高原の乾燥地帯で育った羊毛は、
保湿力と耐久性、弾力性に優れ、丈夫な絨毯がつくられます。
シルクは、養蚕に適したイラン北西部の良質のシルクで、
丈夫で、美しい光沢があります。
材料(繊維)は、
茜、ザクロの果皮、藍、クルミの皮、ウコンの根、ブドウの葉、サフラン、など
草木により、染められています。(草木染)
最近は、発色がよい、科学染料も使われるようになりました。
デザインは、方眼紙のような、ます目のますを、塗りつぶすように
モザイク画のような要領で、描かれます。
ちょうど、ペルシャ絨毯を裏から見ると、このデザイン画が
どのように描かれたか、おわかりになると思います。

織機に縦糸をセットします。
デザイン画を見ながら、縦糸に色糸で結び目(ノット)をつくり、
結んだ色糸の先はカットします。
一目が、デザイン画の一ますにあたります。
以前「ペルシャ絨毯の楽しみ方」という回で、
絨毯の目の細かさについて
中国緞通の『段』も、絨毯の『ノット』や『ラージ』も同じ様な意味で、
ある単位あたりの糸の目の数をこれらの単位で表します。
と説明しました。
ペルシャ絨毯に使われる特に細いシルクでは、
多いもので、1センチ角で100回結び目をつくるものもあります。
ベテランの織り子さんでも、一枚の玄関マットを織り上げるのに
一年を要すこともあります。
大きな絨毯は、2~3人がかりで織って、何年もかかるものもあります。
使う色が多かったり、目が細かいものほど
手間と時間がかかります。
織りあがった絨毯は、毛の長さを揃えてカットし
バーナーの火を当て、無駄毛を焼き落とすこともあります。
次は、洗い作業。一時間かけて、大量の水で流しながら
ブラシで製作過程で混じった、ほこりや汚れを落とします。
形を整えながら、天日干しし、しっかりと乾燥させます。
フリンジをつけて、
最後にも、パイルの長さを揃えるように、刈り込みます。
遊び毛などを、取り除き、やっと、出来上がりとなります。
TERRA2階では世界の手織り絨毯を展示しております。
ペルシャ絨毯も多数展示していますよ。
ぜひ、一度ご覧くださいね。