なめされた皮は、下染めされます。
このときに使われるのは、水溶性の染料。
ちょうど、白いシャツを、色のついたモノと一緒にお洗濯したら
染まっちゃった! そんなイメージです。
水に溶ける染料が、皮の組織に染み込んで色がつきます。
そして、乾かした後、塗装されます。
この塗装にも2種類の方法があります。
1)顔料仕上げ(ピグメント仕上げ)
皮の上に、塗装スプレーで塗装するイメージです。
表面が塗料に覆われますので、日焼けによる色落ちしにくく、汚れ辛いので
お手入れがしやすい、塗装方法です。
もちろん、この塗装にも、厚塗り、薄塗りがあります。
お化粧を想像してみてください。
薄塗りのほうが、ナチュラルで素材感が楽しめますが
もともとの皮の状態が良くないと、キズやシミなどが見えてしまいますね。
厚塗りは、色もキメも均一に見え、キレイに見えますが、
若干素材感は、薄れます。
2)染料仕上げ(アニリン仕上げ)
皮に、色が染み込むイメージです。
皮の表面がそのまま生かされ、透明感のある仕上がりとなります。
でも、表面に塗膜が無いので、色落ち、色あせ、シミなどもおきやすいので
お手入れは、難しいです。
でも、その皮のしなやかさや、素材感をそのまま楽しめる仕上げとなります。
1)と2)の間の、セミアニリン仕上げというのがあります。
これは、皮の表面に、顔料で薄い塗膜をつくり、染料でさらに染め上げます。
皮本来の、素材感を楽しみつつ、堅牢性も持ち合わせる
ちょうど、ピグメントとアニリンの中間の仕上がりとなりますが、
その顔料と染料の割合に応じて、仕上がりも異なります。