タンナーというお仕事3 染色と塗装

なめされた皮は、下染めされます。

このときに使われるのは、水溶性の染料。

ちょうど、白いシャツを、色のついたモノと一緒にお洗濯したら
染まっちゃった! そんなイメージです。

水に溶ける染料が、皮の組織に染み込んで色がつきます。

そして、乾かした後、塗装されます。
この塗装にも2種類の方法があります。

1)顔料仕上げ(ピグメント仕上げ)
皮の上に、塗装スプレーで塗装するイメージです。
表面が塗料に覆われますので、日焼けによる色落ちしにくく、汚れ辛いので
お手入れがしやすい、塗装方法です。

もちろん、この塗装にも、厚塗り、薄塗りがあります。
お化粧を想像してみてください。

薄塗りのほうが、ナチュラルで素材感が楽しめますが
もともとの皮の状態が良くないと、キズやシミなどが見えてしまいますね。

厚塗りは、色もキメも均一に見え、キレイに見えますが、
若干素材感は、薄れます。

2)染料仕上げ(アニリン仕上げ)
皮に、色が染み込むイメージです。
皮の表面がそのまま生かされ、透明感のある仕上がりとなります。

でも、表面に塗膜が無いので、色落ち、色あせ、シミなどもおきやすいので
お手入れは、難しいです。

でも、その皮のしなやかさや、素材感をそのまま楽しめる仕上げとなります。

1)と2)の間の、セミアニリン仕上げというのがあります。
これは、皮の表面に、顔料で薄い塗膜をつくり、染料でさらに染め上げます。
皮本来の、素材感を楽しみつつ、堅牢性も持ち合わせる
ちょうど、ピグメントとアニリンの中間の仕上がりとなりますが、
その顔料と染料の割合に応じて、仕上がりも異なります。

2012/12/05 by 札幌ファニシング TERRA staff