ギャッベ(gabbeh)という敷物をご存知ですか?
ペルシャ語で「粗い」roughという意味の
ラフに、ざっくり織られた毛足の長い絨毯です。
イランの遊牧民族の手織り絨毯「ギャッベ」には、
コレクターがいるほどの、人気の敷物です。
その魅力の一つに、
「色」があります。
鮮やかな色は、植物染めによるもので、
現在でもその手法は固く守られ続けています。
ケレンデという植物で染められた鮮やかな青。
茜で染められた、深みのある赤。
ザクロの皮で染められた、あたたかい黄。
胡桃の殻や木の皮で染められる大地の色、茶。
ジャシールという灌木の葉や枝から生まれる生命の色、緑。
自然から生まれ、自然と共存する遊牧民族「カシュガイ族」の娘は、
「たしなみ」としてギャッベを織る教育を受けるそうです。
その澄んだ色の組み合わせは、多彩なデザインを生みます。
まるで、自然を表現しているかのよう・・・。
もう一つの魅力は、デザイン(構成・図柄)。
柄の一つ一つに意味があるものの、
手本としての図案は無く、
織る娘たちは即興で、心に描いたまま織り上げていきます。
同じ物は、出来上がらない。
色合いや、柄は自由で、のびやかで
まるで一つ一つが心の絵のように、そしてアートのように。
ギャッベを眺め、触ってみると
異国の遊牧民族の暮らしや、自然の風景、
そして豊かな表現力を感じずにはいられません。
ギャッベは、札幌ファニシングTERRAの2階でご覧いただけます
参考文献(写真):GABBEH ART
現在、世界の手織りじゅうたんはTERRA2階にて展示しております。