色を味わう、柄を愛でる

ギャッベ(gabbeh)という敷物をご存知ですか?

ペルシャ語で「粗い」roughという意味の
ラフに、ざっくり織られた毛足の長い絨毯です。

イランの遊牧民族の手織り絨毯「ギャッベ」には、
コレクターがいるほどの、人気の敷物です。

その魅力の一つに、
「色」があります。

鮮やかな色は、植物染めによるもので、
現在でもその手法は固く守られ続けています。

ケレンデという植物で染められた鮮やかな青。

茜で染められた、深みのある赤。

ザクロの皮で染められた、あたたかい黄。

胡桃の殻や木の皮で染められる大地の色、茶。

ジャシールという灌木の葉や枝から生まれる生命の色、緑。

自然から生まれ、自然と共存する遊牧民族「カシュガイ族」の娘は、
「たしなみ」としてギャッベを織る教育を受けるそうです。

その澄んだ色の組み合わせは、多彩なデザインを生みます。
まるで、自然を表現しているかのよう・・・。

もう一つの魅力は、デザイン(構成・図柄)。

柄の一つ一つに意味があるものの、
手本としての図案は無く、
織る娘たちは即興で、心に描いたまま織り上げていきます。

同じ物は、出来上がらない。
色合いや、柄は自由で、のびやかで

まるで一つ一つが心の絵のように、そしてアートのように。

ギャッベを眺め、触ってみると
異国の遊牧民族の暮らしや、自然の風景、
そして豊かな表現力を感じずにはいられません。

ギャッベは、札幌ファニシングTERRAの2階でご覧いただけます

参考文献(写真):GABBEH ART

2008/10/07 by 札幌ファニシング TERRA staff

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