30年前からのエコ

美術館や、博物館に、
永久コレクションとして認定されている
「スタンス」という名前のモノがあります。

絵画?オブジェ?骨董品?

いえ、いえ。
それは、チェア。椅子なんです!

ニューヨーク近代美術館、スウェーデン王立博物館の
永久コレクションとして認定されているinnovatorの「スタンス」。

1971年の生まれですが、今でも大変人気者のチェアです。

発表された当時、注目を集めたその理由は、
デザインはもちろん、デザインを生み出す源となったコンセプトに
多くの人が共感したからだそうです。

まだ、環境問題だとか、エコロジーだとか、資源について
現在のように、意識が高まっていなかった時代、

省資源や、リサイクルについていち早くアプローチしたのが、
innovator(イノベーター)」というブランドで、
商品として出来上がったのが、この「スタンス」という椅子なのです。

innovator(イノベーター)は、

・デザインや素材に無理や無駄を省く。
・永く使い続けることで省資源化を実現する。

という、とても理にかなった発想で商品を作り続け、
今なお、すべてのイノベーターの製品に受け継がれています。

・最小限の部品交換で、いつまでも使える。
・カバーリングスタイルなので、カバーをはずして洗える。
・クッション部分や、カバーだけ、買い足す事ができる。

   といった、永く使える工夫が、30年以上前から根付いているんです。
※過去の記事です。現在、innovatorの取り扱いはありません。

「スタンス」のデザインの起源は、
1919年に設立された、バウハウスという
デザイン教育学校の中から生まれた
カンチレバーチェアにあると思います。

バウハウスでは、[芸術と工業技術の新しい統一]をめざしていました。
シンプルであるからこそ、美しく、永く愛され、
そして、大量生産を可能にしていったのです。

機能を満たす最小限のデザインを美しいと考え、
新しい素材、構造の家具や建築が生まれたのもこの時代です。

マルセル・ブロイヤー「カンチレバー」

ミース・ファン・デル・ローエ「MRチェア」

これらの、デザインは、今でも多くの人に受け入れられ、
まったく古さを感じさせませんよね。

歴史上重要なデザインとして、
「スタンス」チェアが、世界各国の美術館で
パーマネントコレクション(永久保存コレクション)として
認定されている理由が、おわかり頂けたでしょうか?

デザインだけじゃない。
そこに込められた意味が、人を動かすんだと・・・。

2008/10/16 by 札幌ファニシング TERRA staff