くもの巣が、かかるシャンデリア

くもの巣が、かかってるなんて…ちょっと…
古いお屋敷みたい。

・・・と、思ったら、
 そうじゃなくて、デザインコンセプトの一部が
     「蜘蛛の巣がかかるシャンデリア」 だそうで。

これは、2005年に
デザイナーMarcel Wanders(マルセル・ワンダース)により
発表された、照明「ZEPPELIN(ツェッペリン)」です。

この照明の誕生には、さらに、さかのぼる事45年…
当時の新素材から生まれた、有名な照明が関係しています。

1960年の新素材「Cocoon(コクーン)」樹脂を用いた作品で、

Castiglioni(カスティリオーニ)兄弟によってデザインされた名作
「VISCONTEA」や「TARAXACUM」、
Tobia Scarpa(トビア・スカルパ)デザインの「FANTASMA」など。


これらの、cocoonの照明は、
MoMa(ニューヨーク近代美術館)パーマネントコレクションに
選定されています。

COCOON(コクーン)は、当時スプレータイプの樹脂で、
ワイヤーによる骨組みの上に、薄く繊維のように素材を吹き付け、
手作業で均一に広げながら重ねて成形しました。

始めに、長めの素材を吹き付け、それを均一に広げたところで、
上から、細かい素材を重ねて吹き付け、
繭のような、幕状のシェードを作り上げるわけです。

この素材を、照明の光を拡散させる素材として
取り入れたのが、FLOS社であり、
cocoonは、FLOSの創設のきっかけともなった、と
言われています。

そして、FLOS社が、COCOONシリーズ復刻に伴って、
新しいデザインをMarcel Wanders(マルセル・ワンダース)に依頼。

そして、生まれたのが、
シャンデリアごと、繭に包まれてしまったような
「ZEPPELIN(ツェッペリン)」というわけです。

発表された、ミラノサローネでも、
大変な注目を、集めたそうですよ。

・・・そういえば、札幌ファニシングの、ある一室にも・・・

やさしい、光を発する、「FANTASMA」がありましたっけ・・・。

2009/04/28 by 札幌ファニシング TERRA staff