カテゴリー別アーカイブ: 家具のこだわり

暮らしをデザインする オーダー家具

「収納スペース」

住空間をすっきり、そして使いやすくする為に
一番気になるのがココ。

新築や、リフォームの機会があるのなら、
今まで以上に、住みやすく、
そしてカッコイイ住まいにしたい!

そんな夢を、実現する方法があります。

それは、見せる収納と、隠す収納を
うまく、使い分ける事です。

壁をデザインする
壁面収納」オーダー家具。

新築や、リフォーム時に、壁のあり方を
もう一度、考え直してみませんか?

理想のお家を、突き詰めて考えてみると

お部屋も、収納も、家具も
自分仕様に、ライフスタイルにあわせて
あらかじめデザインしてしまうのが、
一番理想に、近づく方法なのではないでしょうか?

それが、
オーダー家具造り付け家具造作家具

実際に、住んでみたら、
「思うように、必要な家具を、
    置きたい位置に、配置できなかった。」

そんな、失敗は、絶対に嫌。

「もっと、すっきり、有効に、お洒落に過ごしたい。」

そんな、あなたには、ぜひ造り付け家具を、オススメいたします!

家作りには、
心地よく、住みこなせる家を、あらかじめ計画してから
取り掛かりたいもの。

まずは、理想の家(過ごし方)を、想像してください。

そうしたら、造作家具の相談をいたしましょう。
あなたの理想を、形にするお手伝いを致します。

専門相談員が、お待ちしています。

オーダー家具相談スペースが
12/6 TERRAにリニューアルオープンいたします。

お気軽に、ご相談ください。

オーダー家具
mani planning roomOPEN

技術が可能にした、デザインの実現

10月20日から4日間にわたり、

家具に使われる、木材の事、そして、

外国で生まれた、木材の加工技術と、それによって実現した
椅子のお話をしてきました。

今日は、日本のお話です。

世界では、1800年代から、
「木を曲げる」ことについて、研究が始まりました。

そして、現在では日本でも、この技術がさらに高まり、
美しい曲線を持つ椅子が、生産されています。

成型合板の技術に、機械の進歩が加わりました。
手作業では、不可能な、細かい作業が可能になったのです。

コンピューターにプログラムされた指示通りに、
刃が、木を削っていきます。
曲面も自在に削り出せる、優れものです。

この機械が、NCルータ。

NCルータを使い、
薄く、曲げられた成型合板に、溝をつけたり、
カットしたりする、緻密な作業がほどこされます。

薄い成型合板の側面に、削りこまれた溝。
この溝のおかげで、薄い成型合板に、ぴったりとフィットした
布地や、革を張り込むことができます。

家具のプロが、その椅子を見たとき、
「どうやって、作ったのかわからない!」という声があがったという
職人の、妥協のない技術で生まれた、三次曲面を持つチェアがあります。

ADコア 瀬戸昇氏デザインの「LINEA(リネア)」です。

LINEAは、脚の幅を微妙に変化させて、
肘の部分には段差をつけています。

しかも、合板の厚さを、徐々に薄くしていく
不等厚成型を、一番の急カーブのところで採用しています。

これらは、非常に至難の技です。

すぐれた木工技術が、
デザイナーの、思い描くフォルムの実現に
欠かせない物となっているようです。

日本の木工技術の結晶
ADコア「LINEA」は、ショールームTERRAでご覧いただけます。

フォルムと、構造の融合。
   独創的なスタイルのチェアです。

なめらかな、素材感や、美しいディテールをお楽しみください。

参考文献(画像):CONFORT

2億本 売れたイス

1859年、ある椅子が発表されました。
成型合板より、少し前の時代です。

その椅子は、現在まで
2億本以上、売れています。

150年近く前に生まれたチェアが、
今でも、売れているのです。

作者は、ミヒャエル・トーネット。
この名前、聞いた事がある方もいるかもしれませんね。

トーネットといえば、曲げ木。
曲げ木といえば、トーネット。

当時は、カーブを作り出すために
木を削って薄くして曲線にし、
1枚1枚膠(にかわ)で貼り合わせていました。

とても、手のこんだ手間のかかる作業です。
これでは、大量生産は無理です。

そこで、トーネットは、2㎜程度のブナの薄板を
膠(にかわ)を溶いたお湯で煮て、5~10枚まとめて
型に挟み込んで、乾燥させるという技術を開発しました。

この方法は、成型合板の原型となっています。

トーネットは、さらに考えました。
「無垢材を曲げる事が出来れば、もっと効率がよくなる」と。

蒸らして、軟らかくした材料を
薄い鉄の、帯板に沿わせて固定し
その帯板ごと曲げて、型にセットします。

そのまま、乾燥させれば、狂いも防げる。

この方法は、1842年、ウィーンで特許の認可がおりました。

そして、1859年。

後ろ脚から背へ伸びる部材、
背あての部材、
籐張りの座面、
円形の貫(ぬき)、
前脚の2本。

たった、これだけの、

たった、6個のパーツで構成されただけのチェア

『14番カフェチェア』が誕生しました。

分解されたパーツは、輸送の際に1箱に36脚分梱包できた、
といわれています。

部材が少ないこと、合理的に製造されることにより、安価でできます。
組立には、接着は使わず、ビス止めだけ。
破損した場合は、その部分だけを交換すればよい。

そんな理由で、2億本以上という
記録的販売数を達成したのですね。

参考文献:CONFORT

二次曲面から、三次曲面へ

アルヴァ・アアルトが、開発を続け
アアルト・レッグという
新たな成型合板の進化をとげている1950年代、

アメリカでは、チャールズ・イームズが
成型合板で、2方向以上の曲線を作り出そうとしていました。

ニクロム線の通った、石膏型に
接着剤を塗った合板を圧着させ、乾燥させる方法です。

この方法で生まれたのがこのチェア。
『DCW』です。
二次曲面をもつ脚と、三次曲面をもつ背・座からなっています。

一方、デンマークでは、
背から座まで一体成型された三次曲面のチェアが発表され、
世間を驚かせました。

建築家アルネ・ヤコブセンがデザインした
『アント(アリの事)チェア』です(1952年)。

日本では、『アリンコチェア』という愛称で
今でも、多くの人たちに愛されているチェアです。

軽くて、スタッキング(重ねること)が出来る椅子として
デザインされた物で、当時は3本脚でした。

連続した背と座の部分は、
9枚のベニヤを交差させながら、型に入れます。

そしてプレスして作るのですが、三次曲面にすると
腰の部分が割れてしまう為、削り取り、くびれた形になっています。

ヤコブセンの没後、安定感のある
4本脚の『アントチェア』も生まれました。

1955年には、量産性を高めた『セブンチェア』も誕生。

プレスの仕方や、木の乾燥の加減、単板層の重ね方などをさらに研究し、
これらの椅子を、現在までベストセラーとして育て上げた
「フリッツ・ハンセン社」は、
1915年に、いち早く曲木椅子の製造を始め、
研究を重ねていたのです。

合板の進歩

「合板を、金属パイプのように加工できないだろうか?」

1900年代、建築家やデザイナーは、
鉄骨や、ガラス、金属パイプなどの新素材に感心を寄せていましたが

建築家アルヴァ・アアルトは、「木材を金属のように加工できないか」と考え、
1931年に、とうとう『パイミオ』という椅子を完成させました。

これは、10月16日に紹介した『カンチレバー』チェアの構造を
木材で再現する事を目指した、取り組みの中から生まれました。

薄い合板(ベニヤ)を作る事は、当時は大変難しかったのですが、
のちに機械、接着剤、圧着の技術が向上し、
二次曲面を得る事に成功しました。
そして、人間の体重に耐えられるようになりました。

曲面をもつ合板を、成型合板といいます。
現在では、よく見られるこの曲面を持つ板は、
この時代に生まれたのです。

そして、その後、成型合板は、さらなる発展をとげていきます。