家具は、どんな方法で作られているのでしょうか?
引き出しや、天板用の大きな板 ・・・ 円柱形の木材等をうまく接合して家具は作られているのです。
ここでは、木材の基本的な接合方法についてご紹介しましょう。
芋矧ぎ・平矧ぎ
単純に木端と木端を付き合わせる方法。 強度的に弱いので、座の幕板等で支えられる場合のみに使用される。 実際には強度の問題から見てビスケット実などを入れて矧ぐ場合が多い
相互矧ぎ
木端に同形になるような本実と溝を加工して矧ぐ接合法。 加工機械の普及によって最近多く使われる接合方法。長手方向に接合するフィンガージョイントを幅方向に応用したもの。
雇い実矧ぎ
両木端に共通の溝をつくり、別材の実で雇って接合する事。 テーブルトップなどでは非常にポピュラーな矧ぎ方。
ビスケット実矧ぎ
雇い実と同じ働きをする楕円形(ビスケット型)の実で矧ぐ。円形の刃を使用する加工機械の普及により生み出された。雇い実より加工が簡単。1500㎜幅の天板で3ヶ所ほど入れる。
端ばめ(はしばみ)
無垢板の反りやくるいを防ぐため、板の繊維方向に対して直交するように、同じ板厚にした棒状の部材を木口にはめ込んで取り付ける方法。テーブルトップの端によく使われる。
千切り(バタフライジョイント)
接合部を補強する工作。蟻形、ひょうたん形など両端が太い千切りを勾配をつけた穴に埋め込んで締め付ける力が働くようにする。割れを防ぎ、死節を隠しつつ、装飾も兼ねる。
ダボ継ぎ
丸く平削りした丸棒をダボといい、接合する木材同士にドリルで穴を開け、接着剤をつけてダボを差込み接合する。接着剤の質の向上により、ほとんどの量産家具に使われている。
フィンガージョイント
木材を長手方向に接合する方法の一つ。「相互矧ぎ」と同じ原理で木口を指の形のようにジグザグに加工し、接着面積を増やす。集成材の小角材一本一本の接合にも使われる。
ダボとフィンガー接合
上記の2種類(ダボ継ぎ・フィンガージョイント)の接合方法をあわせたもの
平ほぞ継ぎ
脚物では最も基本的な仕口。胴付け面のある平たいほぞで角材同士を木口と木端を直角に継ぐ。両面で削り取るニ方胴付ほぞ(図)、片側のみ削る片胴付ほぞ(つらほぞ)がある。
追い入れ(大入れ)ほぞ継ぎ
棚や箱の中仕切などに使われる組継手で、組み合わせる板の厚さ、また幅全体をほぞ穴や溝に差し込む接合。通常は繊維方向にほぞ穴を開けるが、これは繊維に直交して穴を開ける。
割くさびほぞ継ぎ
貫通させる通しほぞの先にくさびを打ち込み、ほぞを広げて抜けにくくしたもの。通例ではほぞ一ヶ所に2本のくさび。通しほぞよりも頑丈な上、くさびを装飾的にも使える。
持ち出し継ぎ
一方の木端をもう一方の木口の大きさにあわせて削り、接合部分のラインを一体にして継ぐ方法。接合部の段差を無くすことを「さすり」と呼ぶ。材の十分な乾燥が必要
相欠き継ぎ
材の両方を半分ずつ欠き取り組み合わせる組手。直交する角材を相欠ぎする「十字相欠ぎ継ぎ」は障子の桟や、椅子やテーブルで格子状に造作する部分などに使われている。
スカーフジョイント
木材を繊維方法に斜めに切断し、その端同士を接合する方法。「滑り刃接ぎ」とも呼ばれ、曲げ木の椅子のフレームなどで円周形に輪をつくる際に使われることが多い。
7枚組継ぎ
板幅を7分割して組む角部分の組手。3分割なら3枚組み継ぎ、5分割なら5枚組継ぎ。引出しなどによく見られる。同じ幅でも組手が多くなると接着面積が増して頑丈になる
蟻形7枚組継ぎ
ほぞの先端を根元より広くし長手方向に一定の傾斜をつけた組手で、容易に抜けないよう工夫されたもの。その形から蟻形、ダブテイルともいう。7枚組継ぎより強度もでる。
ビスケット実留継ぎ
収納扉の框組み(中に板やガラスなどを入れるフレーム) の角などを楕円形の実で接合する留継ぎ。雇い実に代わって、最近ではビスケット実が主流となっている。
雇い実留継ぎ
ビスケット実継ぎと同じ原理。接合部分に溝をつくり、他の材でつくった雇い実で留継ぎにしたもの。挽き込み留継ぎのように外側に補強材を見せたくない場合に使われる。
3枚留継ぎ
実部分の一方の部材に斜めに凸形の実をつくり出し、もう一方の材に溝をつくって組む留継ぎ。働きとしては本実矧ぎと同じ。やはり収納家具の扉材の框組などによく見られる。
金具接合
ほぞの代わりに金具を使用したもの。メスとオスがあり、抜けづらいように返しがついているものがある。主に縦継ぎ用としてコーチボルトを使用
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